化粧品及び化粧品原料の安全性基準

摘要

2013年に起こった美白成分ロドデノール配合化粧品の白斑症による回収事件は，化粧品及び化粧品原料の安全性基準のあり方を大きく見直すきっかけになりました。薬事法に定義されているように，化粧品は人体への作用が緩和であること，すなわち安全性が高いことが基本です。そのような安全性を確認する為の安全性評価試験も確立され，社会的に大きな化粧品トラブルの事故が少なくなっていた時の事件でした。更に2010年に発生した小麦加水分解物を含有する石鹸により，化粧品では前代未聞のアナフィラキシーによるトラブルで回収する事件があったことも，安全性基準への関心が高まる要因でした。化粧品の安全性を考える時，今までの安全性評価試験の結果だけではなく，化粧品の使用方法やトラブル発生後の対処方法のあり方も考慮する必要性があります。このような経緯を考え，これからの安全性基準がどうあるべきなのか検討してみたいと思います。