トヨタ·ウイツシュ－初代イプサムの市場奪回作戦

摘要

トヨタの2003年新型車販売活動は1月20日発表·発売のウイツシュからスタートした．日本ではここ数年3列シートのミニヴアン市場が拡大している．ヨーロッパなどの海外市場でも好評で，世代交替と共に海外のニーズに合わせてボディ·サイズも拡大されてきたが，日本では大きすぎて使い勝手がよくないという批判が高まり，再び全幅1.7m以下のミニヴァンが見直されている．トヨタは第2世代イフサムをサイズアップする一方，スパシオの第2世代と97年から登場しているガイア（6人乗り）を小型ミニヴァン市場の主役に据えようとしたのだが，このもくろみは成功せず，2000年にデビューしたホンダ·ストリームにすっかりシェアを侵食されてしまった．ウイツシュはまさしくストリーム·イーターとして市場に送り込まれたわけである．外形は好調のエスティマ第2世代にならってモノフォルム基調だが，パッケージ·レイアウトはライヴァル·ストリームとほぼ同じ．カローラのプラットフォームをわずかに延長して取り回しのよい小型ミニヴアンを具現している．サイズ的にはイフサム初代を思わせるが，ヒップポイントも全高もわずかに低く，限りなくセダンに近いフィーリングの車というのが苫田健チーフエンジニアの意図するところらしい．