ディジタル処理のためのアナログ回路設計：第16回 任意の周波数の正弦波を得られるD-Aコンバータ－DDSの原理と使い方

摘要

ダイレクト·ディジタル·シンセサイザ(DDS: Direct Digital Synthesizer)は，直接的に（PLLや周波数変換を使わずに）ディジタル合成を行う周波数発生器のことです．初期の頃はディジタルICやROM，D-Aコンバータなどのディスクリート部品で構成するのが一般的でした．DDSは周波数を切り替えたときの追従スピードが速く，位相の連続性もあり，PLL方式のシンセサイザでは得られない優れた特長を持ちます．最近では専用ICが市販されています．表16-1にDDS専用ICの仕様を示します．