個別部品で組み立てて動作原理から設計法までを理解するPLL周波数シンセサイザの設計法徹底解説：第10回 電圧制御発振器VCOの設計／製作 その6－VCOの位相雑音測定

摘要

この連載では，180M～360MHzのPLL周波数シンセサイザの低位相雑音化を目指した設計法を解説しています．図10-1に，PLL周波数シンセサイザの基本構成を示します．入力の基準信号源については，連載の第3回と第4回で解説しました．今回は，第5回から続けてきたVCOの設計/評価法に対する解説の最終回です．次回からは位相比較器の解説に移る予定です．帯域を狭めた180M～220MHz VCOで設計法を解説してきた。 180M～360MHzVCOの設計は，試行錯誤のくりかえしです．設計法を理論に従ってわかりやすく解説することができませh．そこで，設計のしやすい180M～220MHzVCOを例示して．設計法を解説してきました．前回（第9回，2006年11月号）で180M～220MHzVCOの最終的な設計を行いました．さらに実際に製作して，制御電圧に対する周波数特性を感度と出力しベルの観点から評価しました．最終目標のPLL周波数シンセサイザに使う180M～360MHzVCOの紹介。 前述のように設計法については解説できませhが，180M～360MHzVCOの回路図と外観を紹介します．これも，180M～220MHzVCOと同樣に，感度や出力レベルの特性を評価してみます．二つのVCOの位相雑音特性を見てみる。 前回製作した180M～220MHzVCOと，今回紹介する180M～360MHzVCO，この二つのVCOの位相雑音特性を測ってみましょう．VCOの位相雑音特性を測るには，ちょっとした工夫が必要です．その工夫について解説します．コイル以外を使った共振器のVCOを紹介180M～360MHzVCOのLC共振回路には，セミリジッド·ケーブルをコイル/トランスとして使っています．周波数帯城が高くなると，共振回路を構成するLには，単純をコイルを使うことが少なくなります．それらのVCOの代表例も紹介します．