2016年度始動の化学企業の新中計～高収益型企業へ成長図る(上)－グローバルで存在感発揮へ／安定的な収益構造確立も課題－

摘要

2016年度から多くの化学企業で新中期経営計画がスタートした。その大半は2018年度を最終年度とする3カ年計画となっており、一部では4～5カ年計画やローリング計画となっている。各社の傾向を見てみると、利益増加に重点を置き、ROE（自己資本利益率）やROA（総資産利益率）といった指標を目標に加えている企業も増えてきている。特に国際 的に注目度が高いROEは8％超えが最低ラインと言われており、当面のターゲットは同 レベルになりそうだ。また新中計では「持続的成長」や「高収益化」「グローバル化の推 進」などを課題として挙げる企業が目立っ。安定的に収益を上げられる事業基盤を構築す るとともに、成長市場へのスピーディーな対応が重要になってきそうだ。今回は新中計を 発表した17社を取り上げ、2回に分けて特集する。