(S127)製鋼スラグ表面への有機-無機複合被膜形成によるアルカリ溶出抑制Organic-inorganic complex coating on steelmaking slag for alkaline elution suppression

摘要

製鋼スラグはCaO を多量に含hでいるため、利用条件によって接触した水がアルカリ性を呈する場合がある。技術的対策として、生成スラグの組成制御や、表面処理による溶出抑制などがあり、後者の代表的な方法として炭酸化がある。炭酸化は有効な方法であるものの、無機系被膜のため、剥離や亀裂が起こりやすいという欠点がある。そこで、応力に対して比較的追随性が期待できる新しい被膜形成技術として、キトサンを利用した有機-無機複合被膜を提案·検討した。キチン·キトサン類は、甲殻類の外殻などでは炭酸カルシウムと複合化しており、鉄鋼スラグでも材料的な親和性が高いことが期待される。本報では、製鋼スラグ表面への被膜形成挙動を調査するとともに、複合被膜によるアルカリ溶出抑制効果について検討した。