人に優しい医療用セラミック被覆穿刺針の開発

摘要

我が国は現在世界一の長寿国を達成しているが、これは近年の医療技術の目ざましい進歩に支えられたものであることば言うまでもない。 そうした先進医療技術の一つに、生検による病理組織の直接観察·検査が挙げられる。こうした検査においては、通常 ⑻厥猡蚀┐提槫蛑苯硬洳郡藙eして、組織片を採取する方法が採られているが、現行の金属（ステンレス）穿刺針を用いた場合、針の基材が電気的特性に優れた導体金属であるため、病変部から採取した組織片や病変部に刺した穿刺針のまわりの細胞に、悪影響をもらすことが指摘されている。 この点、セラミック製の穿刺針を利用すれば、採取した組織片や病変部に刺したまわりの細胞に、悪影響をおよぼさないと考えられている。 ところが、セラミック製の穿刺針は、非常に脆く折れ易いため、現在全く使用されていない。 本報は、使用中に折損などが生じることがなく、また採取した組織や病変部に刺した穿刺針のまわりの細胞に悪影響をおよぼすことのない、人に優しい画期的な医療用穿刺針の開発について述べる。