標準ステレオ三角形内部の方位を持つγ単相Ni-20mass%Cr合金単結晶のクリープ変形にう伴結晶方位変化

摘要

応力軸が異なる方位を持つ多くのγ単相Ni－20mass％Cr合金単結晶について、クリープ試験を1173Kの広い応力範囲で行なった。クリープ中断材及び破断材の断面形状を調べた結果、標準ステレオ三角形の3極点の中で［011]方位のものが扁平であり、他の2極点のものは等方的であった。 また、標準ステレオ三角形内部のものの形状は［011]と同じように全て扁平であった。 このように扁平化することは主すべり面のみで変形が生じていることを意味している。ここで、応力軸と主すべり面とのなす角度をθとする。 もしクリープ変形で試料平行部にわたって扁平となれば、θは平行部全域に渡って一様に減少したとみなせよう。 ところが、θが45°以上の単結晶ではつば部から平行部へ向かってより扁平化していた。 また、応力を高くしても扁平化はつば部より中央部で進行していた。 これらのことから45°以下のθをもつ単結晶を低応力でクリープ試験すると扁平化と同様θが均一に減少するとみなせよう。 重要なことはそのような場合Schmit Factorの減少を通して（せh断応力の減少）、クリープ速度が減少するという新しいクリープ速度減少機構が確認できよう。