高強度鋼板における限界表面ひずみを指標とした割れ予測方法の検討－高強度鋼板の曲げ性を考慮した割れ予測方法の検討 第1報

摘要

近年，超高強度鋼板の曲げ成形限界や曲げ割れ予測に関して，引張曲げにおける延性破壊条件式を用いた割れ予測方法，理論計算を用いた曲げ割れ発生要因解析に関する研究，極限変形能，n値，応力勾配を考慮した曲げ割れの予測式が報告されている．同一鋼板でも曲げ成形性に異方性が見られることから，曲げ成形性には鋼板表層近傍の金属組織の形態，均一性が大きく影響すると考えられるが，引張曲げ外表面の割れ限界に着目した成形限界，割れ予測に関する報告例は見当たらない．本研究では，曲げ性の異なる980，1180N/mm~2級の超高強度鋼板を用いたハット成形実験を行い，曲げを伴った張出し成形における割れ発生挙動を調査し，曲げ外側の表面ひずみを指標とした曲げ成形限界の予測方法を提案した．