超音波で変える塑性加工·金型製作(14)：金型を対象とした切削加工への応用－金型製作における超音波振動切削の応用の実例

摘要

前回はバイトによる旋削加工の事例を中心に、超音波振動を応用した切削加工法の原理、切りくず生成や切削力波形の状況、実用上の効果など、基本的な切削特性を中心に解説した。今回からは金型加工に対して、どのように利用するのが適当なのかに関して理解を深めていきたい。金型加工において最も利用頻度が高い加工は、エンドミル加工とドリル加工であろう。まず本稿では、エンドミル加工における超音波振動切削機構の特徴、エンドミル、ドリルあるいは研削砥石などの回転工具に、超音波振動を効果的に作用させるための超音波スピンドルの構造および超音波振動エンドミル加工における有効性に関して解説する。