海洋科学技術研究におけるスーパーコンピュータの役割－地球シミュレータの実力と今後の強化策の必要性－

摘要

初代地球シミュレータは、地球を丸ごとシミュレーションし、当時、問題視され始めていた地球温暖化を予測することを大きな目的の一つとして、1997年に開発が始まり、2002年3月に完成した。完成後、直ちに大規模な温暖化予測研究が行われ、2年半にわたる集中的なシミュレーション研究の結果、温暖化予測のための国際組織、IPCC（Intergovernmental Panel on Climate Change）の第4次報告書に貢献した。その後、IPCCがその功績で2007年にノーベル平和賞を受賞した際、IPCCのパテヤウリ議長から、地球シミュレータの大いなる貢献に感謝状が贈られた。