最新セラミックス技術－高度化への材料·製法開発の挑戦：［事例·トピックス］環境浄化機能に優れるセラミック材の開発と応用－押出成形法を利用した高流体透過·高強度多孔質アルミナセラミックスの作製

摘要

アルミナ粉末に可燃性の繊維を混合して調製したアルミナペーストを押出成形後、焼成することにより均一径の円筒状気孔が一次元配向した多孔質アルミナセラミックスが作製できた。 このセラミックスは、優れた流体透過性と高い強度を有しており、過酷環境下でも使用可能な高機能性環境浄化フィルター材などへの利用が期待される。 大気、水質、土壌などの地球環境や我々の身の回りの社会環境などにおいて、NO{sub}x、SO{sub}x、ダイオキシン、PCB、重金属、環境ホルモン、VOCなど、除去対象としなくてはならない有害物質は増加する一方である。 これらの有害物質を除去するには、触媒やイオン交換体·吸着剤などの材料が使われることが多い。 しかし、これらの機能物質を材料として効率的に作用させるためには、現在よく使われている粉末やペレット形状での利用だけでは十分とはいえない。 その良い例が自動車の排ガス触媒である。 Ptなどの黄金属系の触媒微粒子は、コーデイエライト製のハニカム基材に触媒担体層としてコーティングした高耐熱性で高比表面積のγ－アルミナに担持することで、はじめて有効な環境浄化材料たり得る。このように、環境浄化機能を材料として有効に発揮させるためには、特性の優れたセラミックス多孔体の存在が重要な鍵を握っている。