Ⅰ.救急医療システム 1．世界の救急医療－その多様な実体

摘要

今日，救急医学は，世界各国で大きく進化しつつある．だが，救急医学という言葉は，抽象的な実体のない概念であり，その意味は個人や実践団体によって異なってくる．たとえば，米国と日本がその良い例であろう．両国間には，救急医学として具現化されているものに，明らかな違いが存在する．米国の救急医学とは，健康に関して緊急になhらかの助けを求める人がいれば，どhな人にももれなく病院前および病院施設における医療を提供する医学であり，たとえ，患者の主訴が最初に対応した医療従事者からみて，どhなに些細なものだったとしても関係ない．