悪性腫瘍に対する分子標的治療法 造血器腫瘍に対する分子標的治療 慢性骨髄性白血病のImatinibによる治療

摘要

慢性骨髄性白血病chronic myelogenous leukemia（CML）は，顆粒球系細胞が成熟障害をきたさず増殖する疾患で，数年の慢性期chronic phaseの後，移行期を通過して，もしくは突然に急性期と呼ばれる急性白血病類似の病態に転化し，死の転帰を取る．有効な治療法がない時代の生存期間中央値は3～5年であった．薬物治療として，1960年代からアルキル化剤のブスルファンが，1980年代からは代謝括抗剤のハイドロキシウレアが用いられるようになった．