肝臓領域における検査法の進歩と臨床応用

摘要

肝臓は極めて多彩な機能を営み，しかもその機能は複雑である.また，旺盛な代償能·再生能をもっため，障害の程度が検査結果に必ずしも反映されるわけではない.従って，肝機能検査を理解するためには，検査法と検査値の意義を的確に把握し活用する必要がある.一方，肝疾患のうち生命予後に影響を与えるものの多くは，ウィルス性肝炎に起因するため，ウィルス肝炎を正しく診断することは極めて重要であり， 肝炎ウィルスマーカーを正しく理解し活用することが必要である.