プラチナ系薬剤（1）シスプラチン，カルボプラチン

摘要

プラチナ化合物に殺菌作用があることより抗がh割として合成されたプラチナ系抗がh割は，DNAと共有結合し，DNAとcrosslinkを形成してプラチナーDNA付加生成物の形成によるDNA合成障害と，引き続くアポトーシスを引き起こすことにより抗腫瘍活性を示す．プラチナ系抗がh剤のうち主要な薬剤はシスプラチンとカルボプラチンであり，30年にわたり他の抗がh割との併用でがhの治療に用いられている．シスプラチンは胚細胞腫瘍,小細胞肺がh，非小細胞肺がh，膀胱·尿路がh，骨肉腫，および子宮頸がh，カルボプラチンは卵巣がh，および非小細胞肺がhにおいて重要な役割を担ってきた．おもな副作用は，シスプラチンは悪心·嘔吐,腎毒性および神経毒性，カルボプラチンは血液毒性であり，制吐剤などの支持療法の進歩により，これらの副作用に対する認容性は向上した．これらは固形がhの化学療法において今後も主要な役割を担う薬剤である．