病理デジタル画像技術の進歩 デジタル病理学，パソロジー?インフォマテイクス

摘要

病理診断は，Rudolf Virchowに よる"cellularpathologie (細胞病理 学)"の概念からはじまる近代病理 学の成果を実際の臨床に応用して いるものである，人体を構成する 細胞が,どのような組織を形成し て，どのような"行動"をとつて いるのかを，顕微鏡下で観察する ことにより病態を考察するものと いえる.このため，病理情報はアプリォ リに客観化，数量化が難しい.病 理検査で得られる結果は検査値で はなく，医師が導き出した病理診 断である.検査という言葉とは裏 腹に，医師が患者の身体所見を とって診断を下す行為に似てい る.病理画像は記録されても組織 標本のごく一部，重要な部分のみである.