プロテオミクスを手法としたAlzheimer病の病態解析

摘要

ヒトゲノム解読の完了はゲノム機能解析のためのステップであり，遺伝子情報とそこから形成される蛋白質を解析するプロテオミクス（構造ゲノミクス）がつぎの段階となる．なかでも中枢神経系のプロテオミクス研究は大きな意義をもっている．ひとつには中枢神経系が基本的に分裂増殖能を欠く特殊なシステムであるからであり，また，AIzheimer病をはじめとする変性性神経疾患の病態解明が21世紀へ積み残された大きな研究課題であるからである．