ェビデンスに学ぷ慢性冠動脈疾患の治療戰略(Therapeutic Strategy for Stable Coronary Artery

摘要

冠動脈疾患は，現在，世界的に死因の第一位であるが，世界的な寿命の延長と生活の欧米化の浸透などにより，その比率が今後さらに増加することがWHOにより予測されている.わが国は，世界の中でも最も急速に高齢化社会を迎えており，冠動脈疾患にどう対処するかは極めて重要な課題になってきている.冠動脈疾患の治療手段には，主として，薬物療法，冠動脈インタ一べンション(PCI),冠動脈バイパス(CABG)の3つがあり，それぞれに発展している.われわれ曰本の循環器内科医は，世界で得られるェビデンスを常に学びながら，一方では曰本人を対象とした臨床試験を通じて日本人独自のェビデンスを構築し，個々の患者の治療に役立てる必要がある.日本循環器学会では，週去2年間，学術集会において冠動脈疾患の治療戦略に関する特別企画を行ってきた.今回は,さらに広く世界に目を転じ，欧米の主要な臨床研究(SYNTAX, FAME)の研究者とわが国の研究者が一堂に会することにより，ェビデンスに基づいた慢性冠動脈疾患の治療戦略について論じた.