変形性膝関節症

摘要

変形性膝関節症は軟骨の変性·摩耗により，膝関節に疼痛をきたす疾患である.診断は症状およびX線写真にて行うことが多い.X線撮影は，立位荷重位が望まれる.治療は，薬物療法と運動療法の倂用が'重要である.薬物療法は，非ステロイド性消炎鎮痛薬およびヒアルロン酸の関節内注射が，凡用されており，痛みを緩和する効果は高し、が，長期使用には副作用や効果減弱の問題もあるため，運動療法の倂用が重要である.運動は，大腿四頭筋訓練，片脚立ち訓練，スクヮッ卜などか推奨されている. 運動は継続することがきわめて重要であるが，痛みが強くては運動の継続も困難であるため，薬物療法により膝痛を緩和したうえで，運動をする習慣を身につけることが大切である.運動習慣が身につけば，筋力が維持されるため，軟骨の摩耗を予防することが可能となり，ひいては変形の予防，痛みの発生の予防につながる.