アナフィラキシーとェピペン~R

摘要

アナフィラキシーは，食物，薬剤，ハチ毒によるものが多い.急性期の治療は多くの医療従事者に より素皁く実施されることが大切で，薬物治療ではアドレナリン筋注をすみやかに実施する点が重要 である.ェピペン③はアナフィラキシーを繰り返す危険性を有する患者に処方される，ペン型シリン ジのなかに1回投与分のアドレナリンが充填された緊急注射用キッ卜である.アナフィラキシーを発 症し医療機関に緊急搬送されるまでに，患者自身あるいは家族や救急隊員などにより投与される補助 治療薬であり，救命率の向上が期待できる.2003年に輸入販売が承認されたものの自己負担が必要な薬剤であつたが，2011年に保険収載さ れたことにより患者負担が軽減し，今後はさらなる普及が予想される.小児では学校や保育園と医療 機関が情報を共有する仕組みが整備されており，アナフィラキシーを未然に防ぎ，また発症時には連 携をもった医療を提供することが求められている.