食道胃接合部とは

摘要

食道胃接合部は食道の筋層と胃の筋層の境目であり，内視鏡で観察できる柵状血管の下端である.柵状血管が 不明の場合は胃の縦走ひだの口側端とする.X線造影では，内腔の最も狭小化している部分でHis角に一致するものも多いが，滑脱型食道裂孔ヘルニアでは胃の縦走ひだの口側端とする. 病理肉眼観察では周径の変わる部分とするが，組織学的に筋層構造上の接合部の同定は難しい.食道胃接合部とは，細い食道が袋状の胃につながる 境目であり，その部を指摘することは容易であるかと思われる.また，Barrett食道では，"食道胃接合部 から全周性に3 cm以上円柱上皮が連続して存在する ものをlong-segment Barretts esophagus", "3 cm未 満のものや全周性でないものをshort-segment Barrett's esophagus","1cm未満のものを ultra short Barrett's esophagus"と定義されている。