右大腿ヘルニア嵌頓と，魚骨が原因と考えられる左閉鎖孔ヘルニア嵌頓ィレウスが併存した1例

摘要

患者は69歳，女性.夕食に寿司を食べたのち，腹痛，嘔吐，下痢か出現して2日後に救急搬送され，腹部単純X線検査でィレウスと診断された.右大腿部に鶏卵大膨隆と，腹部CTで右大腿ヘルニア嵌頓を認めたため，同日，緊急手術を施行した.大腿ヘルニア内容は大網のみでィレウスの原因てはなく，開腹して検索すると魚骨を伴った回腸か左閉鎖孔に嵌頓していた.魚骨によって穿孔した回腸を切除した.術前の腹部CTを再確認すると左閉鎖孔内に魚骨か写っており，ィレウスの診断に際しては注意深い腹部CTの読影が必要であると反省させられた.右大腿ヘルニア嵌頓と，魚骨が原因と考えられる左閉鎖孔ヘルニア嵌頓ィレウスの稀な1例を経験したので報告する.