硬膜外麻酔（1）

摘要

1．硬膜外麻酔の適応について理解する．2．硬膜外麻酔の禁忌について理解する．3．硬膜外麻酔で使用する器具について理解する．4．硬膜外麻酔のやり方を理解する．5．硬膜外腔穿刺困難やカテーテルが進まないときの対処法を理解する．硬膜外麻酔は脊椎麻酔に比べると，硬膜外腔の見つけ方が少し難しかったり，カテーテル挿入などやや面倒な操作も必要である．しかし，脊椎麻酔に比べると，持続力テーテル法を用いることにょり持続時間の調節が容易になるだけでなく，術後鎮痛に使用できるといった利点もある．硬膜外麻酔は手術中の麻酔だけでなく，術後鎮痛あるいはペインクリニックにおける慢性痛の治療など多くの場面で用いられる．硬膜外麻酔が単独でよく用いられるのは下肢，会陰部，下腹部の手術である．最近は，これらの症例に対して脊椎麻酔を併用することも多く行われるようになってきた．さらに，上腹部や胸部の手術では，硬膜外麻酔は全身麻酔と併用してよく行われる．頸部の手術でも使用は可能であるが，実際に用いられることは少ない．