大腸全摘術に対するReduced port surgery

摘要

臍部，ドレーン挿入予定部，人工肛門造設予定部を利用したReduced port surgeryは，手術操作も整容性も担 保した術式の一つである.sealing deviceを用いた中間位での血管処理，手順の定型化により手術時間の短縮が可能となる. 狭骨盤，肥満症例など骨盤内操作が困難な場合，肛門側からのPushback methodが有効である.大腸全摘?回腸囊肛門吻合術（proctocolectomy with ileal pouch-anal anastomosis ： IPAA)や，回腸 襲肛門管吻合(proctocolectomy with ileal pouch-anal canal anastomosis ： IACA)は，潰瘍性大腸炎（ulcerative colitis ： UC)に対する外科治療として標準術式 の地位を確立しており，家族性大腸腺腫症（familial adenomatous polyposis ： FAP)に対する外科治療の 一つとしても認識されている.