ネギ タマネギ

摘要

ネギの原産地は中国西部で、紀元前S世紀には栽培されていたようである。低温や高温に強く、北はシベリア地方、南は華南など亜熱帯地方まで分布している。日本へは8世紀以降たびたび伝来し、今日の千住群(太ネギ系)、九条群(葉ネギ系)、加賀群(中間系)の3群を形成している。千住群は葉鞘(茎のように見える部分)が白くて長い根深ネギで、明治初頭には現在の東京都葛飾区で栽培されている(図1)。大正以降、赤柄、黒柄、合柄系などに分かれ、現在は黒柄と合柄の交雑による合黒を含めた4系統が利用されている。九条群は葉鞘が短く、分げつ性の強いネギで、現在の京都市下京区を中心として古くから栽培されている。加賀群は寒地系で冬季に休眠することから越年ネギとして利用されてきた。このなかには分げつ性の強い岩槻系、葉鞘が太く短く分げつ性のない下仁田系などが含まれる。ネギ(千住群など)の作型は大別すると、10-11月播種.3月定植、夏秋収穫とする秋播き栽培、2-4月播種.4-6月定植、10月以降収穫する春播き栽培がある(図2)。九条群は秋播き、春播きとも播種期が広く、周年栽培されるものが多い。