アスター「ピチ」シリーズの栽培技術

摘要

アスターは、キク科エゾギク属の半耐寒性一年草で、朝鮮半島北部～アフガニスタン北部に自生する相対的長日植物である。もともと連作に弱いため、日本では耐病性を意識した育種が進められるとともに、花包も豊富で様々な花形の品種が登場している。以前のアスターは仏花としてのイメージが強く、8月のお盆中心の需要が多かった。近年は、小翰多花性品種の登場により、フラワーアレンジや添え花に向くなどの多様性から新たな消費が見込まれ、電照を併用した加温温室やビニルハウスを利用して、周年に渡って出荷されるようになった。キクのように芽の整理などの手間がかからず、価格も秋～冬で安定している。現在、市場では、季咲き以外の出荷のほとhどは、小輪多花性品種で占められている。高温、長日条件では草丈が伸び、短日条件では草丈が短くなることから、短日期の出荷には電照をして草丈を確保する必要がある。