ナシ

摘要

あらためて日本ナシの生産動向を眺めると、平成一三年において、長十郎や薪水など市場性の薄れてきた品種の生産量が、前年比一〇％以上低下しているのに対し、幸水、豊水、新高の主力品種は横ばいで推移しており、全体的には暫減傾向を示しています。 おそらくこの傾向は、今後もしばらく同様の動きがみられると思います。また、一〇 aあたりの収量も全体で前年比五％程度の落ち込みがみられます。 果物の消費量が低下し、さらに一〇〇円ショップに代表されるように、価格こ品物ともに日常における手頃感が強く求められる今日、取引の多い階級の果実を中心に面積あたりの生産量を確保することが、経営を安定させるための手段かと思います。それには芸術的栽培管理の域を脱し、より単純に、よりわかりやすい体系で生産できる管理技術が必要と思います。