第1回 コラボレーションってなに？コラボレーションA to Z：コンカレントと何が違うの－同一工程内での共同作業という考えがポイント

摘要

製造業では，開発期間の短縮，問題解決の早期化を図るために，各工程の着手時期を可能な限り前出しするコンカレントエンジニアリング（同時並行作業）に取り組んできた（図1）。 インターネットなどのインフラの普及に伴い，迅速な情報伝達や，遠隔地での情報共有が可能となり，同時並行作業の効果がさらに高まってきている。コンカレントエンジニアリングにおいては，デザインレビューや設計完了などの区切りの時点で登録された情報を共有利用することが基本である（図2）。 その実現のために，データ共有を行うPDM，デザインレビューを行うDMU（デジタルモックアップツール），遠隔地間あるいはCAD未導入部門でのモデルデータの参照を行うビューワなどが，製造業向けITツールとして有効に使われてきた。