4鉄骨造建築物め品質確保について--製作工場の実施すべき最低限の品質管理と検査

摘要

製作工場における鉄骨造建築物の品質管理の重要性に関しては、以前から多方面からいろいろと指摘や指導等を受け、改善を試みながら、こんにちに至っている。 今回の建築基準法改定では旧建築基準法の精神を反映しつつ、さらには1995年の阪神·淡路大震災時にける溶接接合部の被害の教訓と品質に関する現在の社会的関心の高まりなどが根源となっていると推測される。 しかし、これらに関しては、基本本的に人間の倫理観に依存するところが大きい。 「大地震があれば何もかもなし」、「仕方がない」などといった日本人全体を覆っている無責任かつ虚無的な潜在意識があるためであろう。 21世紀に、実現可能が予想されている新しい空間技術、すなわち、宇宙、海洋、地下などの技術開発が目前に追っているこんにらわれわれ建築技術者は、子孫に継できるような建築技術哲学を創りあげていく義務があると思う。最後に、「建築物は本来、人間生活の容器として造られる場合ガ多いことから、人命の安全とという基本的な大前提がある」ことを強調しておきたい。 したがって、鉄骨造建築物においては、とくに安全性に関しての品質管理が非常に重要であることはいうまでもない。