Distributed Video Codingにおけるレート推定に基づくRate-Adaptive LDPC符号の高効率化

摘要

Distributed Video Coding (DVC)が新しい画像符号化パラダイムとして注目を集めている．しかし，DVCは（1）メッセージパッシングアルゴリズムを用いた通信路符号器を用いるために復号処理時間がかかる，（2）符号化効率が従来の画像符号化として用いられているMPEG等と比較して低い，などの問題が指摘されている．我々は既に（1）の問題に対してグレイ符号を用いた並列化DVCフレームワークを提案しているが，本稿ではDVCフレームワークで用いられているRate-Adaptive LDPC (RA-LDPC)符号器の性能改善方法を提案する．具体的には，従来の報告ではRA-LDPC符号で用いられる疎行列の重み分布は適応的には変更していなかったが，提案方法ではエンコーダ側でシンドロームレート推定を行い，その結果を用いて疎行列の重み分布を切り替えることでRA-LDPC符号の効率改善を行う．シミュレーションにより提案方法は並列化DVCにおいて符号化効率を10[%]ほど改善することが示される．