難成形樹脂の成形克服のための要点：第6回 難成形樹脂の金型設計

摘要

これらの成形不良発生未然防止対策には、不良発生を回避するために必要とする性能を有する成形設備のようなハード的なものと、千差万別の樹脂グレードおよび成形品形状での量産成形における事例研究によって構築されたノウハウ的と言える定量的原則（技術標準）による成形品形状·金型構造の設計技術のソフト的なものに分けて考えることもできる。成形設備選定での最適化にも、定量的原則のような知識や量産経験の活用が必要であるが、設備そのものはそれに投資した人には一様にそれらの性能を活用できるが、ソフト的なものは企業の知的財産であり、それらの優劣の差異は企業の差別化に大きく寄与するものである。理解を深めるために、若干の例をあげてみる。