給湯器用熱交換器銅管に発生する孔食とその対策

摘要

地下水使用時の熱交銅管に多く発生する孔食の発生状況を調べ、その対策として各種銅製熟交による通水試験によって耐孔食性を調査し、以下の結論を得た。 （1）地下水使用時に経験される熟交銅管の孔食は、給水·給湯用銅配管に生じる孔食と同様のI'型（冷水型）孔食であり、水質的には特に遊離炭酸が15ppm以上と多い場合に発生した。 その発生位置は、孔食発生傾向を示す水質が維持される入水パイプと、この水質的な特徴に加えて管内のカーボン皮膜の多い巻水パイプのみに限定された。 （2）内面スズ被覆銅管製熟交、市販Cu－Sn合金管製熟交では、銅管製熟交より耐孔食性が低下した。 内面スズ被覆銅管製熟交は熱交線五時の炉中ろう付時に、管内面にSn濃度の不均質なCu－Sn合金層が形成され、これによって耐孔食性が低下するものと推察された。また、Cu－Sn合金管製熱交でほ使用した市販のCu－Sn合金管のSn濃度が低値であったために充分な耐孔食性が得られなかったものと考える。 （3）内面スズ被覆処理熱交は良好な耐孔食性を示した。これは、使用中の管内面に安定なSnO_2が形成されることによるものと考えられた。