推敲過程の蓄積·理解支援を重視した研究資源管理システムの開発

摘要

研究活動の過程では，論文，プレゼンテーション資料などドキュメント，それらに対するゼミメンバのコメントなど様々な研究資源を扱う．円滑な研究遂行のためには，これら研究資源を推敲の経緯や経過と共に管理·共有し，検討た活かすことが重要である．しかし，研究の進捗に伴って，これら研究資源の数が膨大になる．また，それぞれの研究資源の形態·蓄積形式が異なるため，推敲過程を上手く蓄積·活用することは難しい．そのため，情報の整理不足による課題の見落としなどが発生しがちである．これに対して，研究ドキュメント管理やノウハウ共有などの研究が存在するが，課題は多い．本研究では，多様な研究資源とそれらの推敲過程の一体的蓄積·活用を可能とするシステムの開発を目指している．本論文では，複数の研究ドキュメント中の記述間の対応関係抽出手法，推敲漏れ箇所推定手法について述べる．その上で，これらの手法を導入した支援システムのプロトタイプの設計·開発について述べる．さらに，記述間対応関係抽出に関する実験について報告し，その結果に基づいて提案手法の特徴と課題について考察する．