耐スポーリング性に優れたアルミナ·クロミア質キャスタブルの研究

摘要

近年，膨大な量のごみ処理に貢献している方法として溶融法が注目されている。溶融させることで容積を減少させることができるので減量化ができ，高温での溶融により重金属やダイオキシン類などの有害物質を燃焼できるので無害化ができる。このように環境問題に貢献している溶融炉には様々なタイプがみられるが，溶融炉でのごみ処理は耐火物にとって過酷な条件で行われている。溶融炉内の雰囲気が還元雰囲気である場合は炭化珪素含有耐火物が，酸化雰囲気である場合は特にクロミア含有系耐火物が使用されるが1），近年の問題である原料価格の高騰ヤクロミアが人体に悪影響を及ぼす6価クロムを生成する可能性があることなどからクロミアを含まないクロムフリー耐火物の要求がますます高まってきている。筆者らは溶融炉に使用されているAl_2O_3－Cr_2O_3質キャスタブルにおける剥離損傷に着目し，低Cr_2O_3化に向けての検討を行った。本報において，その検討経過を報告する。