路面振動に着目した夏·冬タイヤの判別手法に関する基礎研究

摘要

冬季における幹線道路では，路面の凍結によるスリップ事故防止のため．監視員によるタイヤ規制が行われている．しかし，監視員の疲労による誤認や判別に時間がかかるために起こる渋滞などが問題になっており，自動化が切に望まれている．今日のタイヤの自動判別システムにおいては車両走行時に生じる振動が注目されているが，実用化に向けて判別率の向上が課題となっている．本稿では2つの振動ピックアップを用いて車両の速度を推定し，冬タイヤの特徴となる周波数を予測することが可能であるか検討した．また，振動を取得する方向によって現れるスペクトルに差異があるのか検討した．結果として，速度推定による周波数予測が冬タイヤの識別に効果的であること，路面垂直下方向の振動において冬タイヤの特徴となる周波数を顕著に表すことが分かった．また，周波数予測を用いたタイヤ判別手法によって，90％以上の判別率を得られた．