JR北海道735系通勤形交流電車の概要

摘要

735系通勤形交流電車は，札幌圏用通勤電車の試作車として製作した車両で，JR北海道としては初めてアルミダブルスキン構体を採用している．先頭構体は鋼鉄製で731系とほぼ同一形状の高運転台構造としており，踏切事故時の乗務員保護を考慮した構造としている．車両性能や機器配置は極力731系に合わせており，床下には，冬期の着雪量低減のため床下機器カバーを設置している．室内レイアウトは731系5次車を基本としており，座席は全てロングシート，片側3扉で，混雑時の乗降性を考慮した客室としている．室内設備はバリアフリー·ユニバーサルデザインを考慮しており，客室床面高さを731系より100mm下げて乗降口をステップレスとしている．その他，車いすトイレの大型化，吊り手の増設や配置の見直し，スタンションポールの形状·配置の見直しなどを行なっている．平成22年3月に納入となり，2010年度から2011年度にかけて低温時や降雪時における車体断熱性などを検証する走行試験を実施する計画となっている．