超短パルスレーザーによる超高速磁化制御と計測

摘要

本報告では，ユニークな磁化動特性を有するGdFeCoフェリ磁性合金を対象材料とし，レーザー光誘起磁化動特性に関する成果について紹介する．本論文の構成として，まず，①希土類（RE）および遷移金属（TM）からなるフェリ磁性合金であるGdFeCoが，正味の磁化および角運動量を，その組成および温度により制御でき，結果として角運動量の補償点近傍におけるFMR周波数増大効果により高速磁化応答可能な条件が見出せる事を述べる．併せて超短パルスレーザー利用超短時間磁化応答計測法について述べる．次に，②金属磁性体においてマクロな磁化状態を変え得る巨大な非熱的光磁気作用が存在し，その作用は光の進行方向へ磁界を加えたことと等価な効果を示す．最後に，③磁気光学効果の熱特性を併用することで，パルス長40fsの単一パルス照射のみで光誘起磁化反転が可能であることを述べる．