鉄道と安全率

摘要

日本の鉄道は，既に130余年の歴史を持ち，その間列車（開業当初は機関車）のみならず，鉄道の建設技術も飛躍的な発展をとげてきた。 特に鉄道線路の建設技術に関しては，欧米の技術の輸入に頼るところから出発したが，次第に我が国独自の安全性の考え方を細み込み，近年の安全?安定した高速輸送体系を確保すると同時に様々な線区グレー?ドに見合った構造物の建設が可儲となるような設言?体系が作られるようになってきた。 　 本稿では，鉄道構造物の建設における安全性の考え方について，土構造物を中心とした歴史的変遷を示し，安全率の考え方を概観する。