高強度鋼板の車体への適用の変遷

摘要

高強度鋼板を自動車のボディ部品に採用する取り組みは，おおよそ30年前から行われている。 この間，高強度と高成形性を両立させた材料面での開発の取り組みや，割れ·しわ，スプリングバック等のプレス加工時の不具合現象を防止する成形技術開発の取り組みが進められてきている。 これらの新たに開発された材料·工法を利用し，最適なボディ構造とする設計面での技術開発の取り組みも併せて続けられている。 薄鋼板成形技術研究会ではこれらの開発に呼応し，「高強度鋼板の成形技術」を研究会の統一テーマに取り上げ，成形技術や評価技術等さまざまな技術開発に取り組んできている。 また，定期的にアンケートを実施し，高強度鋼板の使用状況や技術課題について定期的に観測を行うことにより，技術開発の方向性について検討している。 これまでには，1979年と1992年にアンケート調査を実施し，その内容については本誌の404号などに報告されている。