希土類磁石の開発動向

摘要

希土類磁石は，市場に登場してから短い期間で様々な材料が見出され　 飛躍的に特性を向上させてきた．近年では，製造技術の開発が継続的に実施され，Nd－Fe－B系焼結磁石においては，現在，その性能は第4世代へと進んでいる．このように，希土類磁石は，新しい材料の発見と製造技術開発を繰り返すことにより，磁気特性を向上させ，これまで発展を遂げてきたといえる．一方，磁石の市場に目を向けると，生産量は増加し，その用途は拡大してきているものの，金額ベースではその伸長は頭打ちとなってきており，磁石市場は成熟期にあるといえる．しかしながら，希土類磁石の課題はまだ多く，市場の要求にも応えきれてはいない．これまでと同様，新規材料の探索を含め特性開発を進め市場の要求に応えていくこと，また．その一方で，視点を変え新しい市場を開拓し対応していくことが，将来のさらなる大きな発展につながるものと期待される．