超電導リニアの開発動向

摘要

超電導リニアは超電導技術を利用した日本独自の先端技術で、従来の鉄道のように車輪とレールとの摩擦を利用して走行するのではなく、車両に搭載した超電導磁石と地上に取り付けられたコイルとの問の磁力によって非接触で走行する。 そのため従来の鉄道とは異なり、500km/hの安定した超高速走行が可能となる。 東京～大阪間の大動脈輸送を担うJR東海は、高速大量輸送システムのさらなる発展を目指して、超電導リニアの技術開発を進めている。 平成9年4月から鉄道総研と共同で山梨リニア実験線（先行区間18.4km）において走行試験を行い、これまで多くの試験項目を着実にクリアし、平成17年3月には、国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会から、超電導磁気浮上式鉄道について「実用化の基盤技術が確立した」と判断されるなど大きな成果を挙げてきた。本稿では、山梨リニア実験線での走行試験など超電導リニアの開発動向について、その概要を記述する。