燃料電池の開発動向

摘要

燃料電池は、今から160年前の1839年に考案されたが、実用化は1960年代で、米国の宇宙船「ジェミニ」と「アポロ」に電気と水を同時に供給できるシステムとして搭載され大きな脚光を浴びた。 燃料電池は、水素と酸素を化学的に反応させて直接電気を発生させる。 わが国でも1981年に始まる「ムーンライト計画」の一環として開発が進められてきた国家プロジェクトであり、商用電力の発電装置としての実用化を目指してきた。 ところが、1990年代に入りカナダのベンチャー企業、バラード·パフー·システムズ社が高性能な小型燃料電池を開発すると、自動車向けに一躍注目されることとなった。