生体材料の機能とその有効活用

摘要

竹の特徴は木材と異なり、節と節とで囲まれた中空部をもっていることである。回1は竹の節の部分を拡大したものであるが、竹は節間盤によって中空部が規則正しく分割されている。 このことが竹の軽量性と柔軟性を生みだしている。 そしてこの節間盤は負荷の状況を認識して、曲げや摂りモーメントの大きい根元の部分ではその間隔を狭くし、上部にいくにつれて間隔は広くなっている。梓部の肉厚は当然根元が厚く、上部にいくにつれて薄くなっているが、このように節の間隔は状況に応じて調整できる優れた機能をもつのである。 このことは竹の強度的な面だけでなく、剛性面についても当てはまり、竹は上部にいくにつれ、柔軟性に優れたものとなっている。 そのおかげで竹は台風のような強風に対しても、まともに強い雨風を受け止めるのではなく、構造からくるこのような柔軟性を活用し、大きな変形によって破損することなく自然に耐えている。