リグニンの利用動向

摘要

近年、持続可能な資源としてバイオマスが注目されている。バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称であり、生ゴミ、下水汚泥、家畜排泄物、林地残材、建築廃材など様々な種類がある。その中でも木質バイオマスの有効利用に期待が寄せられている。日本は国土の約7割を森林資源が占める森林大国であり、木質バイオマスが豊富である（図1）。木質バイオマスは食料と競合せず、これらを有効利用できればその化学成分としての有望性は高い。