省エネ·CO_2削減に向けたソリューション：エネルギー管理と標準化の動向－中小規模ビル向け「省エネ推進標準化コンソーシアム」の活動

摘要

我が国の最終エネルギー消費の推移をみると，業務部門については，1990年比で4割程度増加した後，高止まりしており，省エネ対策の更なる強化が求められている。現在，大規模ビルにおいては，ITを活用したビルエネルギー管理システムが導入され，省エネへの取り組みはある程度進んでいる。一方，中小ビルでは，設備制御を可能とする仕組みがなく，省エネのPDCAサイクルを実行する人材が不足しがちであり，その多くは，過去に導入された設備をそのまま運用し，効果的なエネルギー管理が行われていないのが実態である。「エネルギーの使用の合理化に関する法律」（「省エネ法」）や東京都の「環境確保条例」に．よる新規制では，省エネやCO_2排出の実態報告と改善策について，広範囲のビルオーナにこれまでない高いレベルの取り組みを求めている。とりわけ，中小規模のビルにおいては，ビルオーナおよび，テナントが省エネの取り組みを可能とする仕組みの構築が重要である。