景観創造のための敷地の判読

摘要

私のランドスケープ活動において，つい先日のことのように覚えている出来事がある。 もう15年近く昔のことになろうか？ 品川のあるビルで同時代風景展なるものが催された。 おそらく行かれた方も多いであろう。 当時私はまだ社会に出たばかりで，ランドスケープの仕事については右も左も分からなかったが，その会場の中には何か確かな方向性のようなものが示されているかのように思えた。 数名のランドスケープアーキテクトがおのおのの提案を行い，鋭い批評を受けていた。 私はランドスケープ界の新しい時代の幕開けを感じた。 同じような価値観を持つ世界だけで活動するのではなく，建築や都市など関連する諸分野の専門家と協働しつつ，ランドスケープの価値観やその感性を浸透させ，積極的に活動している姿勢に魅力を感じ共感した。