アルツハイマー病の性差依存的な

摘要

アルツハイマー病（AIzheimerdisease：AD）は認知機能の低下を中核症状とする神経変性疾患で，その約95％は60～65歳以上で発症する晩期発症型AD（1ate－OnSetAD：LOAD）である．わが国では現在100万人以上が屏息しているとされるが，世界一の高齢社会であるわが国にとって，LOADは社会的にも医療経済的にも克服しなければならない重要疾患の一つである．国内外の大規模疫学研究や疾患モデルマウスを用いた分子遺伝学的研究から，AD発症と性差との関連を示唆する報告がなされている．そこで，本稿では筆者らの最近の知見を含め，今まで報告されてきた性差依存的なLOADのリスク遺伝子について概説する．