『大同類聚方』.医療溯源考(9)

摘要

ブトの原産であるという。八草の一つ。古く中国に伝わつて栽培された。ゴマの成熟種子を乾燥したものである。延喜式進貢品名は「熟麻、胡麻子、白暴熟麻、胡麻油」であつた。ゴマの種子を搾って製した半乾性脂肪油の成分はリノール酸などの不飽和脂肪酸に富み、脂肪の酸化を防ぎ、ビタミンE、セサミン(sesamin)などが含まれる。通常、薬用には黒胡麻がよいとされているが、油を搾るには白、しあんゆ金ゴマのいずれでもよく、ゴマ油は中国では、香油あるいは芝麻油という。ゴマ油の肌に対する効用は「艷がよくなる-痛みが止まる?腫れがひく.火傷によい」などであるが、漢方的用途には「滋養強壮(補精?延年)、通便、明目、聡耳、育毛、補血作用」等があり、『日本民間薬草集覧』には胡麻油の盃一杯は貝類の中毒によいという。