LTE-Advanced下りリンクOFDMA無線アクセスにおける広帯域スケジューリングおよび無線リソース割り当ての検討

摘要

本稿では，LTE (Long-Term Evolution)-Advanced下りリンクOFDMA無線アクセスにおいて，複数のComponent carrier (CC)を用いる広帯域伝送(Carrier aggregation)における，広帯域スケジューリングおよびトランスポートブロック(TB: Transport Block)マッピングの適用効果について検討する．先の3GPP (3rd Generation Partnership Project)のRAN WG1 (Radio Access Network Working Group 1)会合において，LTEのRelease 8仕様の機能を再利用することによる装置実装面での簡易性を優先し，各TBを1 CC内のリソースブロック(RB: Resource Block)に割り当てるTBマッピング法が採用された．しかしながら，CCの帯域幅よりも広い帯域幅に対するTB マッピングおよび周波数スケジューリングを行うことによる限界性能については充分に検討されていない．したがって，このような広帯域化の効果を検討することは，採用されたTBマッピング法の適用を前提とした場合に，代替技術を用いて実現すべき性能の目標値を示す上で重要となる．本稿では，システムレベルシミュレーションにより，CC内TBマッピング·スケジューリング法，CC内TBマッピング·広帯域スケジューリング法，広帯域TBマッピング·スケジューリング法の3つの方法を比較する．シミュレーション結果より，ユーザ当たり単一のTBが割り当てられた場合，CC内TBマッピング·スケジューリング法に比較して，広帯域TBマッピング·スケジューリング法を適用することにより，セルスループットおよびセル端ユーザスループットを，それぞれ18，39％程度増大する効果があることを明らかにする．